2016/04/26
事例で分かる★耐震工事成功のポイント~小規模マンション~
納得できる耐震工法の選び方
赤坂桧町公園アーバンライフの耐震工事実施に向けての合意形成はスムーズに進んだものの(第1回:マンション所有者合意形成のポイント)、長い間工事が行われない停滞期間に入ってしまいます。第2回は、その理由や具体的な工法の決定までについてお聞きします。
‐そんな中、2011年に東日本大震災が起こります。
あの時は、足がすくみました。ついに来てしまったか、と。たまたまオフィスにいたのですが、あまりに激しい揺れだったので、帰ったらマンションが崩壊しているかもしれない、と覚悟しました。耐震性は足りないとはっきりしていたわけですから、あの恐怖は今思い出しても寒気がします。
‐事態が打開したのは?
たまたまビル管理を仕事にしている方が理事になって、そこから動き始めました。幸い、松井建設さんが手を挙げてくださって、本当に助かりました。耐震工法は3〜4工法を検討したのですが、その中でも今までの暮らし方を変えないデザインUフレーム工法を選択しました。補強がしっかりできることはもちろん、サンルーム風の見た目でデザイン性が高いことが魅力でしたね。やっと納得できる耐震工法に出会えました。
‐デザインUフレーム工法に決まってからは、スムーズに進みましたか?
プランが決まればすぐにでもやってしまいたい、というのは総意だったので、そこからは速かったです。松井建設さんというパートナーを見つけるまでが大変でした。耐震診断してから5年以上かかっていますから。
‐決定した理由は?
お金を払ってもらっておしまい、という関係性ではなく、パートナーとして一緒に考えていく姿勢を見せてくださったことが一番大きかったです。私たちの細かい要望もしっかり聞いてくださり、工事に反映してもらえました。松井建設さんに出会い、工法が決まって、本当にホッとしましたよ。
パートナーとなる建設会社、納得できる耐震工法に出会うことは、耐震工事実施に向けての大きなポイント。「住まいのそなえ研究所」では、その選択の参考となる情報をお届けしていくぞ!
さて、次回(5/2更新予定)は「耐震⼯事後のメリット」について。
実際に耐震⼯事をしてみて、住⺠の皆さんの暮らしはどう変わったのか…?
耐震⼯事を迷っている⼈は必⾒じゃ!
‐耐震診断で「耐震性が足りない」とはっきりしてから、工事への動きが止まってしまったそうですね。
最初に、耐震診断をしてくれた事務所に耐震工事の設計をお願いしたところ、外観に大きく影響は出るし、ベランダにも出られなくなるプランが出てきたんですよ。これまでの暮らしが大きく変わってしまう耐震工事は受け入れがたいものがありました。
‐そこから、納得できる耐震工法を探し始めたのですね。
探し始めたのは良いのですが、まったくツテがないし、何が良いのかもわからないので、どうしたらいいのかわからずに動きが止まってしまいました。とりあえず手探りでインターネットで耐震工事をしている会社を見つけて、代表電話にかけたりしたのですが(笑)。こちらが小規模マンションということもあり、話をしっかり聞いてくれるところも見つからず、本当に途方に暮れましたね。見積もりをお願いしたら、びっくりするような金額が出てきたこともありました。